春のふんわりカール

カラスノエンドウ

丸い葉が対象に並び柔らかく伸びる茎は、先端部がくるりと巻く蔓状となり、動きに富んだ形が何やら遊び心を感じさせます。
そんなささやかに伝わってくる活発さが、時期柄厳しい寒さが綻んでくるイメージと重なり、微笑ましく感じられます。

春の早い時期、空き地や道端の土場など生活の身近なところで見かけることができます。
3月の後半あたりになるとピンク~紫色の花を咲かせ、マメ科の特徴的な形の花は小ぶりながらスイートピーやハギにも似て鑑賞性も高いです。

オオイヌノフグリやホトケノザなどこの時期のお馴染みの顔ぶれの構成する草地も、このカラスノエンドウが伸びてくるにつれてふんわりと柔らかな印象が増し、風に揺れる草原といった風情が漂うようになります。

花の後にできる種も、食卓でお馴染みの豆の形に似て、親しみ深いですが、食用にはなりません。
名前の頭に着くカラスは、食用にならず役に立たないといったニュアンスが込められた由来のようです。

kensuke-watanabe

Data

植物名
カラスノエンドウ
学名
Vicia angustifolia
他の名前・俗称
ヤハズエンドウ
区分
1年草
参考サイズ
40cm

マメ科の特徴的な花をつける(神奈川県北東部、3月下旬)
(神奈川県北東部、3月下旬)
アブラムシが群がり、テントウムシの幼虫も寄ってきている(神奈川県北東部、3月下旬)

Vicia angustifolia

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。