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コンクリートで舗装する前に…! 知っておきたい駐車スペース施工事例

「駐車場」というと、一般的にはコンクリートで舗装されているイメージが強いかと思いますが、来客用であって常時車を使用しない方や、お庭が無く植物を楽しめるスペースが限られている方などは、駐車場を庭活して緑を楽しみたいと望まれるケースも増えています。

駐車場として切り分けた空間にせず、お庭の一部やご自宅の外観を構成する要素として考えてみると、舗装材によっても印象がガラッと変わりますし、コンクリート舗装でもレイアウトによっては緑がしっかり感じられるようになります。また、駐車時間が長いのか短いのかによっても、全体の見え方やコストとメンテナンス性のバランスを考える上で重要です。

そこで今回は、駐車スペースの施工事例をテーマごとにご紹介します。新築で駐車場や外構リフォームをお考えの方、将来的に家周りを考えたいという方も、ぜひ参考にしていただければと思います。

駐車スペースも、アプローチの一部として

ご自宅の駐車場の場合、とくに都心部では住居横や玄関前などの外構部分に車1~2台分のスペースを確保している、という形が多いと思います。なので、そこだけ ‘駐車場らしく’ なりすぎてしまうのは勿体無く感じます。
レンガや石材で玄関へのアプローチとあわせて舗装すれば一体感が生まれ、外観全体がすっきりとまとまった印象に仕上がります。

ベルギーで実際使われていたアンティークストーンを使った事例。 機能面を考慮し、常時駐車はモルタル目地、来客用は草目地にする事で変化のあるアプローチに。
敷地全体の雰囲気に合わせ、和の印象を与える乱形石を埋め込んだ洗い出し舗装。通常のコンクリートが固まる前に表面を拭き取ることで、骨材の砂利が表面に出る仕上げ方法。

 
また、駐車時間が長く舗装全体が見えている時間が短い場合には、レンガや石材を使って車を停めた状態での見え方を意識しつつ、化粧砂利を組み合わせてコスト面とのバランスを図ることもできます。

竣工直後
砂利はイギリス産の砂利を採用。角がある砂利を使用する事で、タイヤ圧によるズレや凹みが起きにくいように考慮。

お庭の中に車を停めるようなイメージで

駐車時間が短く、舗装部分が見えている時間が長い場合は、お庭の一部としての見え方を重視したデザインも。芝に石材や枕木をプラスして、タイヤ圧による芝の劣化を軽減しています。

前出したアンティークストーンに芝目地を組み合わせた事例。 エントランスゲートを進んだ先にある庭の芝ともつながり、まとまった印象に。
駐車場というよりは、車が停められる庭。 アプローチにしつらえた菜園の成長は、毎日の楽しみ。

メンテナンス性重視の中にも、目地で変化を

コンクリート舗装はコストパフォーマンスやメンテナンス性の高さがメリットですが、デザイン面では駐車場然となりがちな部分もあります。
スッキリと舗装しながらも、目地に緑を入れて植物エリアと繋げるイメージで仕上げることで、メンテナンス性だけでなくコストバランスも意識しています。

敷地中央に植えたメインツリーは、新緑の季節が美しいリキュウバイ。庭の木の下に停まる愛車の姿が可愛らしい。
スリットの湾曲した形状とダイコンドラの草目地で、柔らかい印象に。

コストをかけず、ゆっくりと庭に溶け込む

砕石や砂利に地被類の植物を這わせて、徐々に緑化する駐車スペースを作るのも良いですね。経年変化で多少起伏が出たりもするため、ある程度のメンテナンスは必要になりますが、舗装のコストがかからず、お庭のように馴染んでくれるところもメリットです。

竣工直後
竣工後2年。フェンスやアーチには、ツルハナナスとスタージャスミンを混植して誘引。 竣工後に加わったのは、うどん粉病の耐性があるサルスベリ マスコギー。手前に植わったシルバーウーリーティーツリーは、シルバーリーフがよく映え、ボリュームが出ても軽い印象。
砕石のエリアが少しづつヒメイワダレソウに侵食される事で、駐車場もすっかり庭の一部に。グレビレア エレガンスの赤い花が彩りを添える。

駐車場も外観、外構を構成する重要な要素

ご紹介してきた事例をご覧いただくと、駐車スペースがご自宅やお庭の外観、外構を構成する中でも、わりと大きな役割を果たしていることがお分かりいただけると思います。駐車場だからと別にして考えず、ご自宅全体を構成する1つの要素として、デザインやコスト、メンテナンス性などのバランスを見ながらスペースを活用したいですね。

この他にも、駐車場を含めた様々な施工事例をご紹介しております。よろしければ、参考にしてみてくださいね。