パリで見つけた植物のある風景1
庭づくりをする傍ら15年ほど前から出張で訪れるようになり、
フランスからは様々な影響を受けてきました。
特に日本で感じていたよりも、人と植物が身近にある気がして、
自分もその感覚を少しでも吸収したくて、植物のある風景を切り取ってきました。
パリは、お店や美術館、公園はもちろん、何でもない街角でも植物がとても魅力的に見えます。
庭づくりを仕事にしている者の視点で見つけたパリの風景です。
MERCIメルシーの中庭
2009年にオープンしてから行く度に必ず訪れるMERCIメルシー。
ライフスタイル系と言われて、日本のショップにも大きな影響を与えたようですが、このお店の中庭がとても好きです。一階のレストランに面した70~80㎡位の建物に囲まれたこじんまりとしたスペースですが、野菜や果物が植えられ、収穫したものはレストランでも提供されています。雑然としつつも、すっきりとして、サイズ感もまた良いんです。
ブドウやバラ、アイビーやナツヅタなどの蔓もので周りを緑で覆い、オリーブグリーンの納屋や中心には水栓と石のシンクがあり、シンメトリーに区画されています
庭には出れませんが、レストランからこんなかわいい庭を眺めながらのご飯は格別です。
エントランスの中庭は石畳で舗装されているため、グリーンはすべて鉢で育てられています。
常緑樹を中心に蔓性植物を壁に這わせています。蔓は左からハゴロモジャスミン、フジ、ハニーサックルとクレマチスが絡んでいます。
バラもありますね。
左側の蔓はトウテイカカズラ(スタージャスミン)。直径50センチほどの鉢ですが、大きく伸びています。白い花が咲いているのはナンテン。
その隣は花芽がついたノリウツギ、手前のボリュームのあるのはサルココッカです。丸く刈り込まれたセイヨウツゲが入り口の両脇に置かれてます。
四方を囲まれた20坪ほどのスペースなので、日照条件的には日向から半日陰といったところに適した丈夫で手がかからない品種が選ばれてます。日本ではあまりメインには使われないナンテンやサルココッカもベースとなる役割を担っていますね。
自動潅水がついているので、生育も良いのでしょう。壁に誘引用ワイヤーを渡し、できるだけ壁を覆いたいんだなという意図が感じられます。