Essay

緑の気になるところ~都立桜が丘公園~

日々、プランニングや現場管理、植栽作業など、お庭づくりの仕事にいそしむBROCANTEのスタッフ。
そんな職業柄と、もともと植物好きであることも手伝って、緑を身近に感じられる場所に対するアンテナはかなり敏感です。
そんなBROCANTEスタッフが日々生活の中で訪れ、皆さんにおすすめしたいと感じた緑に纏わる場所を紹介します。

見晴らしの良い丘のある公園

横浜市都筑区の事務所から国立・立川方面の現場へ向かう途中。いつも川崎若葉台の方から桜が丘カントリークラブの方へ抜け川崎街道を聖蹟桜ヶ丘方面へ下ってゆくのですが、その坂の左手に丘の斜面にポツンと一本のモミの木が佇む開けた草地のようなものが目に入ります。

そこだけ山間の牧場のような雰囲気が漂っていて、しかもちょうど多摩川方面の開けた視界を望む斜面。見晴らしがよくて気持ち良さそうだなと、ずっと気になっていました。

調べてみると、その辺りに桜が丘公園という都立の公園があり、おそらくその一画だろうと見込みをつけ、3月下旬の休日に立川の知人を訪ねた帰り道に寄ってみることにしました。

菫と鶯

記念館前というバス停近くの入り口から入り、園内の案内看板を見て目当ての丘と思しき場所を探すと、同じような位置関係の場所に’ゆうひの丘’とあり、おそらくここだろうと目星をつけ向かう事に。

そこへ向かう途中に通れそうな場所で’うぐいすの道’という場所があり、ウグイスという雅な響きに心惹かれ、少し遠回りにはなりそうでしたがそこを通るように経路を取りました。

入り口から少し歩くと山の尾根道のような道となり、傍らにもみじ平というモミジの生い茂る林が広がっています。まだ黄色味の強いの新芽が差し込む陽の光を反射しとても鮮やかで、これは秋の紅葉も見ごたえがありそうだなとつぶやきながら歩くこと数百メートル。右手に’うぐいすの道’という案内看板と共に谷へ下る細い道の入り口が現れます。
朽ちかけのウッドチップが足の裏に心地よい感触を感じながら細い道を緩やかに下ってゆくと、ちょうど鶯の盛んに鳴き始める季節、その名に違わぬ鶯の大合唱に包まれました。

頭上のあちらこちらから聞こえるホーホケキョ。こんなにも鮮やかにホーホケキョかと改めて感心しながら、その声に身を浸しながら歩き、ふと足元を見るとタチツボスミレの仲間やニリンソウが道沿いに小さな群生を作りながら点々と咲いているのを発見。
まだ芽吹きの浅い落葉樹の明るい林床に楚々として咲く可憐な花に、いちいち足を止めては膝を折り眺め、そんなこんなをしているせいでこの道を通り抜けるのに大分時間がかかってしまいました。

林縁の花畑

'うぐいすの道'を抜けると’赤い実の道’という道に突き当たり,そこを右に折れ進むと里山の林縁のような場所に沿った園路が整備されています。
その道沿いにはオオアラセイトウ(ハナダイコン)が群生し、一面の紫となった花々が、林の作る影とその切れ目から差し込む春の陽の柔らかなコントラストを纏い、何とも気持ちよさげに咲いていました。

その後、子供向けの遊具があるエリアを過ぎ、公園の敷地のエリアを割るように走っている公道を渡ります。その公道沿いにはウッドデッキの敷かれた歩道が整備され、林に沿いながら歩くけるようになっています。
その歩道沿いでは、大きな株になったバイモが落葉樹のそばで咲いているのが見られました。涼し気な緑の葉にライムグリーンがかった白い花がいくつも釣り下がる様子が、まだ木の幹肌と落ち葉だけの茶色のモノトーンの風景にハイライトを作る様相となり、春の訪れを小粋に強調してくれているようでした。

多摩地域を見渡す絶景

デッキの道を抜けるといよいよお目当ての夕日の丘が見えてきます、山道のような風景から一転、聖蹟桜ヶ丘の駅を手前に府中や所沢の西武ドーム、背景には秩父や奥多摩の山々迄を見渡す大パノラマ。
期待通りの眺望に満足どころか、前半では、山歩きのような非日常的な雰囲気と春の可憐な花々を見れて200%満足。すっかりお気に入りの場所となりました。

しかしながら実は今回周ったエリアは園地全体で見ればまだ半分弱。
この日は他のエリアを周ることはできませんでしたが、やはりこれは見ずにはいられないと、後日仕切り直し、朝から周ってきました。
やはりほかのエリアにも様々な魅力的な風景が。その様子はまた別の記事にて紹介させていただきます。