芸術家たちのシンボルリーフ

アカンサス モリス

古代ギリシャの頃からヨーロッパを中心に建築の装飾や紋章のモチーフとなっているアカンサスの仲間です。
日本で一般的に流通している代表的な品種で、関東より西側の平野部であれば冬の間も青々としているので、寂しくなりがちな時期のボリュームとして活躍してくれます。

耐陰性もあるので草本類扱いではありますが、高木の下の植栽で骨格となるものを常緑で選ぶときなど、低木の代わりとしてもバリエーションに組み込んだりすることもあります。

基本的には一度根付けばほとんど手間はかかりませんが、毎年株のボリュームが充実してくるので、スペースに余裕のある場所に植えてあげるのが理想です。

花もとても見ごたえがあり、時期になると紫がかった白い穂状の花序を1m程まで立ち上げ、よりオーナメンタルな姿となります。

古代ギリシャからの様式のほか、モダンデザインの父とも呼ばれるウィリアムモリスの代表的な作品に用いられていたり、日本では東京芸術大学のシンボルにも用いられていたります。そんなことを思いながらこの植物を愛でていると、様々な時代の芸術家たちと意識を共有しているような、なんだか壮大な妄想が浮かんできます。

kensuke-watanabe

Data

植物名
アカンサス モリス
学名
Acanthus mollis
他の名前・俗称
葉アザミ
区分
常緑
参考サイズ
0.6~1m

通りと駐車場に面した日当たりのよい場所。(2016年5月下旬、東京都杉並区)
落葉樹の中低木に囲まれ、春から秋の間は日が陰りがちになる場所。(2017年7月上旬、千葉県流山市)
アジサイ等の低木と並んでも負けないボリューム感。(2016年5月下旬、東京都杉並区)

Acanthus mollis

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。