擁壁のポテンシャルを引き出せ

イワガラミ

壁を自らのぼり、初夏にアジサイに似た花を咲かせてくれる
登攀型の貴重種。

イギリスに住んでいたころ、古いレンガの壁とそれを覆うツルアジサイにとても憧れ、自宅に植えてみましたが思うように育ってくれませんでした。それに代わるのがこのイワガラミ。イギリスもそうですが緯度が高く、北海道のような寒い地域では、ツルアジサイの生育が良いのですが、暖地ではイワガラミが代役を務めてくれます。生育は旺盛で日当たりが良いと、ゆうに4~5mは伸びます。

半日陰でも育ち、葉に模様が入るムーンライトは半日陰の方がきれいな状態が続きます。
付着根があるので、補助資材がなくても自ら壁を登ってくれる点も◎

ツルアジサイの花はガクアジサイと同じで装飾花に4枚のガク片がつくのですが、イワガラミはスペード型のガク片が1枚なのでよく見ると全く違います。定期的に剪定すれば比較的狭いスペースでも管理できますが、広い擁壁のようなところにのびのび育てると山のような様相を呈してきます。

Data

植物名
イワガラミ
学名
Schizophragma hydrangeoides
区分
落葉
参考サイズ
3m~10m

2.3mの高い擁壁を覆うイワガラミ・ムーンライト(東京都23区 6月上旬)
葉脈がシルバーの葉から浮き出て重くなりすぎない緑壁に。
物置に上手に誘引(千葉市北部 6月上旬)
パッと見はガクアジサイのよう。
ツルアジサイの基本種。(東京都23区 6月)

Schizophragma hydrangeoides

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。