みんなで作る、個性あふれる優しいチョコレート
そのチョコレートを知ったのは、Seedingで撮影などを担当しているスタッフからの紹介でした。スタッフの友人が携わっているという、とある施設で作られるチョコレート。ダークチョコにソルトチョコ、バジルにブラックペッパー…!?気になるテイスト。可愛らしいパッケージには【OUCHI】と書かれています。
それは、Bean to Barスタイルでハイチ産カカオ豆から作られる、無添加の手作りチョコレートでした。
試行錯誤しながら、1から作り上げたBean to Bar
東京都足立区にある、精神障害を持つ人たちが地域に戻るためのサポートをする施設【OUCHI(おうち)】。こちらにある、働くための練習ができる場所「KITCHEN」で、OUCHIのチョコレートは作られています。
Bean to Barとは、ご存じの方も多いかと思いますが、カカオ豆(bean)から板チョコ(bar)にするまでの全ての工程を、一つの工房で行うことです。OUCHIのキッチンでは豆の選定~焙煎、粉砕、分別、練り上げ、調温、成型、包装までの作業工程を、専門スタッフの方々が丁寧にサポートしながら、精神障害をもつ方々とともに行っています。
なぜチョコレートなのか、なぜBean to Barスタイルなのか。そこには精神障害を抱える方々が手作業をする工程があるものを選ぶこと、また、チョコレートを嫌いな人は少ないのでは、という想いもあったとのこと。
そこからは専門スタッフが試行錯誤しながらチョコレートの作り方、カカオ選び、味の選定、専用機械の手配など、時にはBean to Barチョコのお店に問い合わせて聞いたりしながら1から作り上げていき、現在の作業工程に至ったそうです。
私たちが施設にお邪魔した時も、細やかな手作業でカカオニブと皮などを分別したり、チョコレートを型に流し込む作業を、皆さんが集中した表情で作業している姿が印象的でした。
素材や個性を活かして作る
しかし中には少し難しい作業で、うまくいかないことを気にして消極的になってしまう人もいれば、逆に毎日通ってどんどん上達する人もいたりと、人それぞれなのだそう。
そんな中で1人1人に合った作業を提案ながら、みんなで作り上げるチョコレートは、余計なものを加えず、こだわりの素材を活かした美味しさと個性あふれるテイストが魅力です。
とくにバジルとブラックペッパーは、普段から植物と関わっている私たちにとっても新鮮な味わいで、それぞれの味の食べ比べも楽しいです。作る工程に関わる人と、そこで作られるチョコレート、どちらも素材や個性を活かしていると感じました。
みんなで作り上げる、個性的なテイストの、作り手にも食べ手にも優しいチョコレート。コーヒーブレイクやティータイムのお供に、ぜひ味わってみてくださいね。
※現在、Seedingでのお取り扱いは終了しております。
OUCHI(おうち)
photo by tamie miyashita