庭先にある憧れ

オリーブ

近年こんなにも愛されている庭木はなかなか無いのではないでしょうか。住宅街を歩いていても、植栽に気を遣っているようなお宅には、地植えにしろ鉢植えにしろ、必ずと言って良いくらいこの木が植えられています。

もともと一年中葉を茂らせている常緑樹は、庭のメインツリーとして人気の高いものではありますが、日本の暖地帯で見られる多くは厚ぼったい濃緑色の葉を持つものです。そのような中にあって、アッシュグレーの幹に青みがかったった小ぶりの葉が茂る姿は、明るいイメージで異国感を漂わせ、どこかおしゃれさを感じさせてくれます。

オリーブ油をはじめ食などの生活全般にわたっても登場し、豊かな生活を連想させるイメージもありつつ、日本の気候にも高い適応能力を見せ、生産も盛んで流通量も多く入手もしやすいので、憧れと一般的を両立させてくれている存在のような気がします。

品種も様々なものが出回っていますが、大まかに樹形が横に広がりやすいものと縦に伸びる傾向が強いものがあるので植える場所にあわせて選ぶとよさそうです。

実の収穫も期待できます。ただ自家受粉を避ける性質が強く1本では実がつきにくいので、近くに異品種を植えると実がつきやすくなります。

植栽環境としては、日当たりよく乾燥気味に管理することが基本ですが、半日蔭のような場所や、自動潅水機で他の植物と同条件にしっかり潅水されるような場所でも問題なく育っています。

ただし、オリーブゾウムシという固有の害虫が存在し、特に被害が多いです。ひとたび被害を受けると大きなダメージにつながることが多いので、定期的な農薬散布などの予防対策を講じる事がおすすめです。

kensuke-watanabe

Data

植物名
オリーブ
学名
Olea europaea
区分
常緑低木~高木
参考サイズ
3~10m

Olea europaea

Last Modified at / Published at

植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。