都会派シダ

タマシダ

世界の熱帯・亜熱帯の広い地域に自生するシダ。日本では、日本でも伊豆半島、紀伊半島の最南部以南の地域に自生しています。
植木としては主に観葉植物として園芸店などで流通しており、丈夫で育てやすく最もポピュラーなシダ植物の一つです。

もともと観葉植物として扱われていますが、耐寒性もあり、関東以西の都市部のような場所では屋外で冬を越してくれます。

生育環境も広く適応し、日陰の地際からヤシの木の上部の葉柄の基部に着生している姿なんかも見かけます。
明るい場所では直立気味の短めで、葉色は黄色っぽく明るく、日陰では長くアーチ状に葉色は緑が深く生育する傾向があります。

一度根付くと地下部に水分や養分をためる球状の塊茎を形成し、そこからほふく枝を出しどんどん広がってゆきます。

常緑でふんわりと柔らかな印象で、日陰の景色でも重たくなりすぎず緑のボリュームが作れるので、背の高い植物の下草としての扱いなどに重宝します。
一方、繁殖力が強く、放っておくと他の植物を飲み込んでいってしまうほどなので、植栽するときは、余り他の下草と混植せず、ある程度エリアを決めて列や面状に増やせるように見越して場所を決めておくのがお勧めです。

地植え、又は屋外の鉢植えで管理するときは春から夏の間に外へ出して置き、冬に向かって徐々に寒さにならしてゆくとよいです。
温室育ちの物を冬にいきなり外に出してしまうと、葉が痛んだり枯れてしまったりするので注意が必要です。

kensuke-watanabe

Data

植物名
タマシダ
学名
Nephrolepis cordifolia
区分
常緑多年草
参考サイズ
0.3~0.6m

日陰の小道沿い(8月上旬、東京都23区)
殆ど葉が痛むことなく冬を越している(3月中旬、東京都23区)
地下に根茎を形成する。
ヤシの木に着生する様子(4月上旬、東京都23区)

Nephrolepis cordifolia

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。