栄誉の香り
ゲッケイジュ
香辛料のローリエはこの木の葉を乾燥させたもの。
クスノキ科の常緑樹で、植木としてもポピュラーな存在です。
地中海沿岸の原産で、ヨーロッパでは様々な形で親しまれています。
香辛料として、医薬として、ギリシャ神話では妖精の化身の神木とされ、勝利者や詩人の栄誉のしるしの冠、厄除けなど神聖なイメージを表すのにも用いられるこの木ですが、日本ではカレーライスに入っている葉っぱとして初めての認識を得た人も多いのではないでしょうか。
私もその口で、好物のカレーライスに何故か入っている強烈な香りと苦みで食べることのできないこの硬い葉っぱ。
子供の頃そのことを不可解に思いつつも、’ローレル’という歯切れのよい横文字の印象と相まって、あえてこんなものを入れることに何やら洒落た雰囲気を感じていたのを覚えています。
生の葉を摘むと爽やかでスパイシーな香りがします。香辛料として乾燥させて使用する場合は、香り成分が最も多くなる真夏に収穫します。
雌雄異株で雌株には実がつきますが、ほとんど見かけたことがないので、日本で植木として流通しているものは雄株が多いようです。
枝元から葉が密にしげるので、スタンダード仕立てで管理されていたり、生垣材としても用いられます。
地植えで管理すると成長は早めです。
比較的樹形は縦に伸びる感じで横幅は控えめですが、グイグイと縦に伸びる印象です。
都心部の路地裏などでも大きく成長したものを見かけたりします。
暑さにも寒さにも強く、基本的には強健な木ですが、日が陰りがちだったり、風通しの悪いようなところではカイガラムシがつきやすいので注意が必要です。
月桂樹の枝で草木染をしたところピンク色(アルミ媒染)と紫(鉄媒染)に染まりました。
同じクスノキ科のクロモジの枝を煎じたお茶(フクギ茶)もピンク色なので、クスノキ科の特徴なのかもしれません。
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Data
- 植物名
- ゲッケイジュ
- 学名
- Laurus nobilis
- 他の名前・俗称
- ベイリーフ、ローレル
- 区分
- 常緑
- 参考サイズ
- 2m~10m