ハーブレシピ vol.1 青シソジェノヴェーゼパスタ
育てて楽しい、作って美味しい、ハーブレシピ。
造園の仕事を始める前は、料理人を目指し、イタリアンレストランで数年間働いていた経験を持つ〈brocante〉のオーナー松田行弘さん。いまでは、料理は趣味のひとつに。
住宅や店舗の造園作業などで日々忙しく働く松田さんの休日の息抜きは、「飲みながら料理を作って、家族と一緒に食べること」だといいます。
料理には、松田さんが自宅のベランダで育てているハーブを活用することも多いそう。実際、自分で育てたハーブを料理に使用してみると、ひと皿の美味しさや一つ一つの食材に対する慈しみの気持ちがより一層深まり、食べ方や活用の可能性を探る楽しみも増えていくものです。
そこで、ハーブが身近にある暮らしを楽しんでいる松田さんが、日頃作っている”松田家のハーブレシピ”をお届けします。第1回は爽やかな味わいがクセになる「青シソジェノヴェーゼパスタ」をどうぞ。
日本の環境で育ちやすい「青シソ」を育てて、ペーストに。
清々しい香りが特徴的な「青シソ」は素麺や刺身のツマに使用するなど、昔から日本の食卓で愛されてきたハーブです。もしかすると日本人にとっては、最も身近なハーブと言ってもいいかもしれません。
「青シソは高温多湿な日本の環境で育ちやすく、比較的虫も付きづらいハーブ。一度種を蒔けば、翌年以降もこぼれた種から毎年芽が出てきます。例えば秋に種を撒くと、春以降にグングン育ち、やがて花が咲きます。収穫は花が咲く前のタイミングがベスト。青シソはペーストにすると、冷蔵庫で2〜3週間保存できますし、パスタやムニエルなど、いろんな料理に使えるのでおすすめの調理法です」と松田さん。
健康維持や皮膚や粘膜を強くする効果が期待できるβカロテンやアンチエイジングに欠かせないビタミンEも豊富な青シソ。シソの爽やかな風味は、オイルの油っぽさも中和してくれる作用もあり、さっぱりとした味つけに仕上がるので、ぜひ日常的にいろんな料理に活用してみましょう。
材料(4人分)
・青シソ 100枚程度
・ニンニク 1カケ(みじん切り)
・ケッパー 30g
・アンチョビペースト 大さじ1弱程度 またはアンチョビ1片
・松の実 20g程度 *クルミで代用可(さっぱりとした味わいが好みの方は、なくても可)
・オリーブオイル 150ml
・塩 ふたつまみ程度
作り方
1.ボウルにオリーブオイルを移し、必要な材料をすべて移し替え、ハンドミキサーかミキサーでペースト状にする。完全なペーストにするよりも、葉のテクスチャーが少し感じられるくらいの方が、シソの風味が出ます。
2.中身を見ながらミキサーを回し、それぞれの材料がペースト状になったら、保存用の瓶に移し替える。
3.使い切らずに保存する場合は表面に、少しだけオリーブオイルを加え、空気に触れさせないようにする。
4.冷蔵庫で大体2〜3週間保存が可能なので、大量に作りおきしておくと調理がスムースに。茹でたジャガイモに絡めてみたり、白身魚のポワレやチキンステーキにかけたりしても。
5.人数分のパスタを茹でたら、ボウルの中に青シソペースト、パスタの茹で汁(1人分に対して大さじ1程度)を目安に加えてトングで混ぜる。
6.お好みでパルミジャーノ・レッジャーノなど、粉チーズも用意する。さっぱりとした味が好みの方は、チーズの代わりに千切りにしたシソを散らしても。
爽やかな味わいがクセになる青シソ
風を感じるのが気持ちいい季節は、熱々の出来上がりをテラスで食べるのもひとときの贅沢。シャンパーニュを開けて、昼下がりから家族や友人と飲みながら、他愛のないおしゃべりを楽しんでみましょう。
recipe & styling / Yukihiro Matsuda
photo / Takeshi Abe, edit & text / Seika Yajima