ハーブ界の長嶋茂雄

シソ

古くから日本において食を通して親しまれ、
栽培が盛んに行われている1年草。
原産は中国と言われていますが、日本でも2500年前の土器と共に種が出土するほど古いお付き合い。

庭で育てる植物というよりは、単純に食べ物という認識の方が一般的かもしれません。しかしながら、季節が合えば育てやすく、花も可愛らしいですし、庭の一画で育てて、見て、おいしく食べる、実は楽しみどころの多い植物です。

庭での栽培は種又は苗で行います。
いずれも園芸店・ホームセンターなどで容易に手に入れることができます。苗はゴールデンウィーク前あたりから出回ります。

日当たりが良い場所よりは、生育は劣りますが、一日に2~3時間しか日が当たらないような条件でも育てられます。

青ジソ、赤シソがありますが、それぞれ刺身の添え物や薬味、着色や風味付けなど様々な活用法があります。
きっと多くの人にとってもなじみ深い味ですし、そんなようなこともあり、育てた後の活用のハードルも低く、育てたはいいけど持て余してしまうなんて事が起こりにくいのも魅力ではないかなと思います。

一年草ですが、こぼれ種でもよく増えます。
梅雨時から秋口にかけて収穫を兼ね葉を切り戻せば新しい葉が出てくるので長く楽しめますし、そのまま秋に花を咲かせて種を作らせれるまで育てれば翌年も楽しめる確率が高いです。

地植えにして育てると手間もかからず育ちも良いですが、鉢やプランターでも収穫を楽しめます。
その場合は7号サイズ以上くらいの出来るだけ大き目の物を使ってあげると育て易くてお勧めです。

学名ではLamiaceaeと呼ばれるシソ科は茎の断面が四角く、触ると角ばっているのが特徴です。

この仲間にはミント、バジル、タイム、オレガノ、ローズマリー、ラベンダー等ハーブのメジャーどころともいえる面々が属するハーブの名門のような科。
学名こそLamium(オドリコソウの仲間)に由来しますが、日本においてはあえてシソを選び、科名として用いているのが、深く親しまれている事の表れで「Mrハーブ」の称号ように感じられます。

kensuke-watanabe

Data

植物名
シソ
学名
Perilla frutescens var.crispa
他の名前・俗称
紫蘇大葉
区分
一年草
参考サイズ
0.3~0.6m

フェンス前のスペースに植えられた株(7月上旬、東京都23区)
コンクリート舗装の隙間から生えてきている(9月下旬、神奈川県横浜市)
花も可愛らしい(9月下旬、神奈川県横浜市)
プランター栽培でもしっかり楽しめます。(9月上旬、東京都23区)
学名Lamiaceaeの由来になっているオドリコソウ(4月上旬、京都府)

Perilla frutescens var.crispa

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。