Recipe

ハーブレシピ vol.2 タコのエスカルゴバターソテー

育てて楽しい、作って美味しい、ハーブレシピ。

造園の仕事を始める前は、料理人を目指し、イタリアンレストランで数年間働いていた経験を持つ〈brocante〉のオーナー松田行弘さん。いまでは、料理は趣味のひとつに。
住宅や店舗の造園作業などで日々忙しく働く松田さんの休日の息抜きは、「飲みながら料理を作って、家族と一緒に食べること」だといいます。

料理には、松田さんが自宅のベランダで育てているハーブを活用することも多いそう。実際、自分で育てたハーブを料理に使用してみると、ひと皿の美味しさや一つ一つの食材に対する慈しみの気持ちがより一層深まり、食べ方や活用の可能性を探る楽しみも増えていくものです。

そこで、ハーブが身近にある暮らしを楽しんでいる松田さんが、日頃作っている”松田家のハーブレシピ”をお届けします。第2回は常備しておくと、とっても便利な「エスカルゴバター」の作り方とおすすめの食べ方として、「タコのエスカルゴバターソテー」をご紹介します。

パセリの冷凍保存とエスカルゴバター作りにチャレンジを。

ふだんから家で西洋料理を調理する人も、パセリは料理の彩りのために“飾り”として用いる人が多いかもしれません。 脇役的な存在ではありますが、実はとてもポテンシャルを秘めたハーブです。使い方次第では、食材の旨みをグンと引き出せることもあります。

「使い道を想像しづらいパセリですが、みじん切りにして冷凍しておくだけでも、なにかと便利なハーブです。例えば、ピラフに散らしてみたり、スープにふりかけたり。ちょっとそのままの味では物足りないな、と感じたときに風味づけとして活躍します。さらに、手間暇かけて、『エスカルゴバター』作りにぜひ、チャレンジしてみて欲しいです」と松田さん。

「エスカルゴバター」は、松田さんが以前、修業していたレストランで、よく作っていたもの。以来、日常的なレパートリーになったといいます。フランス・ブルターニュ地方の前菜料理として有名な「エスカルゴ」に使われるバターのことですが、エスカルゴに限らず、魚介、肉、キノコ類、バゲット、パスタなど、さまざまな食材の旨みを引き出す“魔法のバター”と言っても過言ではない一品です。その秘密は、思わず食欲をそそられる、ニンニクとパセリの風味。そして、栄養も豊富で、ビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンCやカルシウム、マグネシウム、鉄分などを多く含んでいます。

「パセリは暑さと寒さに強い性質なので、ビギナーでも育てやすいハーブです。冬も越すので、長い時間収穫を楽しめます。花が咲ききると終わってしまうので、その前には大部分を収穫して冷凍しておくといいと思います。冷凍保存ができるので、庭やベランダでたくさん育っても安心。独特のクセがあるので、バターなど油と合わせて使うことで、その味が引き立つと思います」

実際「エスカルゴバター」を手作りしたら、何枚かスライスして小鍋に投入を。シメジやタコのスライスとソテーするだけで、ビールに合うおつまみが簡単に完成! バゲットにペーストするだけで、ガーリックトーストに。ぜひ、多めに作って、好きな食材と合わせていただいてみましょう。

材料(4人分)

・パセリ 40〜50g
・バター 250g ※有塩でも無塩でもOK
・ニンニク 大なら1~2カケ、小なら2~3カケ ※みじん切りにする
・エシャロット 1個 ※みじん切りにする
・アーモンドパウダー 50g
・塩 少々 ※有塩バターを使用した場合は不要
・コショウ 少々

作り方

1. パセリを軽く洗い、太い茎部分を取ってみじん切りにする。そのほか、ニンニク、エシャロットも同様にみじん切りに。

*パセリは冷凍するとパリパリになります(冷凍保存は大体2〜3カ月ほど持ちます)。パセリはみじん切りにした方がより細かくなりますが、面倒な方は袋に入れて手で揉んで細かくしましょう。

2. バターは常温で置き、柔らかくしたあとにカットする。

3. ボウルにバター、みじん切りにしたパセリ、ニンニク、エシャロット、アーモンドパウダーを加え、スプーンで混ぜる。

4. お好みで塩や胡椒を加え、全体を混ぜ合わせる。

5. 混ぜ合わせたらラップに包む。すぐに調理しない場合は、冷凍保存を。

6. ソテーの具材用にタコをカットする。

7. タコ、シメジを適量、エスカルゴバターを2切れほど小鍋に入れてソテーする。
 具材に火が通ったら、仕上げに塩コショウで味を調えて完成。

爽やかな香りと独特のほろ苦さがクセになるパセリ。

エスカルゴバターを常備していると、アペリティフのおつまみも簡単に美味しくできて、お酒を飲むひとときがよりリラックスしたものになるはず。ぜひ、自分好みの食べ方を探ってみましょう。

recipe & styling / Yukihiro Matsuda
photo / Takeshi Abe, edit & text / Seika Yajima