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LIKE THIS×Seeding Organic Cotton Tee

デザイン会社FRANXの展開するオーガニックコットンTシャツブランド”LIKE THIS”にご協力いただきSeeding別注Organic Cotton Tee “Itauba Yellow”が出来上がりました。

これからのシーズンに活躍しそうなビビットイエローのTシャツ。

このOrganic Cotton Tee “Itauba Yellow”は、庭の工事の中で発生したウッドデッキ材「イタウバ」のおが屑を使用して染められています。

様々な視点からの植物

LIKE THISの存在を知ったときは、とても新鮮な植物観を感じました。

ボタニカルダイという技術を使い植物由来の色で染められたTeeシャツを作る彼ら。

そこで扱う植物はどれも街路樹や公園、近所の藪に生えているような私たちの生活のそばにあるありふれた植物や、何かを作る際に発生した木材のかんな屑等の身近な素材。

それらのものが、彼らのバックボーンにあるファンクネスやストリートカルチャーの臭いを漂わせるアイテムに仕立て上げられている。

東京郊外の身近な日常と、かたや黒人カルチャーから発したもの。

従来のイメージからすると、一見ミスマッチにも感じられるそれらも、身近な環境から自分の身の回りにあるものの由来まで意識する”ローカル”的な思想において本質的な共通項が体現され、アップサイクルというサステブルな思想も巻き込みながら、場所、時代を反映した唯一無二のオリジナリティとなって、そのカッコよさを形作っていると感じたのです。

そして、その一連の流れに植物が介在しながら行われているところが面白い!

「LIKE THIS Look Book2020FW」より
LIKE THIS ECSite "LIKE THIS SHOP"

LIKE THISのコンポーザーである藤栄さんは、美大を卒業後、デザインの仕事の傍ら、身の回りの物の色の由来は何なのかという興味から植物を使った染物を始め、現在の活動のきっかけになったという。
普段から、植物を目に止めると、どんな色が出そうかなどを想像するのだそう。

私たちとはまた別の視点から植物のポテンシャルを見つめている。

植物ともっと仲良くなれそう。

私たちは普段庭づくりを生業として植物と関わり、プロなんていう立ち回りをしているものの、冷静に考えてみればその知識なんて、植木としての一部の植物についてや、ウッドデッキやフェンスなどの材料としての知識くらいのもので、多種多様に渡る植物と人間の関係を見渡してみれば、ほんの一部分に過ぎない。

視点を変えてみることで、新しいものが見えてくる。

LIKE THISの活動を知ったことで、ウッドデッキの廃材や剪定の枝など、いつもは何となくもったいないなと思いつつ、廃棄物としてしか扱えていなかったものにも、新たなポテンシャルをもって受け止めることが出来ました。

植物ともっと仲良くなれそう。

このTシャツが出来上がったときに思ったことです。

仲良くなればなるほど魅力が湧いてくる、そんな気もしています。

Seedingでは自分たちの感じる植物の魅力を増やしてゆくことで、
皆さんにお伝えできる魅力のバリエーションも増やしてゆくことが出来ればというのも思うところです。

Organic Cotton Tee "Itauba Yellow"

ストリート風に言えばディープでドープ笑
このTeeシャツが、そんな植物の魅力の一端を皆さんにも感じてもらうきっかけとなればうれしいです。

イタウバについて

クスノキ科の常緑高木
学名:Mezilaurus itauba - (Meisn.) Taub. ex Mez

油分を多く含み、耐候性の高い木材が取れる。
価格と加工性、耐久性などの性能のバランスが優れているためBROCANTEの庭の工事でもウッドデッキ材として提案される機会が多い。
ブラジル産のものが出回っている。

ウッドデッキの工事で出たイタウバ材のおが屑 
イタウバ材
イタウバ材で作られたウッドデッキphoto by Seeding

model&object photo by Takeshi Abe

ボタニカルダイについて

植物が持つ色素をベースに、タンパク質とわずかな化学染料を併用するボタニカルダイは、従来の草木染めと比べて、高い堅牢度と鮮やかな発色が特徴。媒染剤(金属による発色と定着)は使わず、色素を抽出する時の温度や酸性・アルカリ性、染料の濃度によって色味をコントロールする。植物が持つ自然の色は、複雑に乱反射するため、繊維を美しく奥行きある色に染めることができる。

Store

back story

Organic Cotton Tee "Itauba Yellow"の制作初期段階。

ボタニカルダイの染色にかけてゆく素材を選んで行くにあたって、素材に潜む色味を探るために、草木染めの技法による染色実験を行いました。
その時の様子をベースに、フォトグラファーの阿部健さんが1本の動画をまとめてくださっています。

いつものように剪定枝、おが屑等とひとくくりに扱ってしまえば、個性など感じる対象には当たらないようなものも、それぞれ茶、黄、紫、ピンクなど思いのほかカラフルな発色をみせることに、改めて植物の個性の奥深さを感じ、自分たちの扱っているものの豊かさを認識させられる経験となりました。

そのことは、固定概念化してしまいがちな自身の認識する役割にも、
実はもっと多様な繋がりや広がりの可能性がある事を示すものに感じられたのです。

このように、自分自身に意外性を見出すようなテンションと、染色実験で最もビビットな発色をみせたイタウバに感じた意外性とで波長が重なり、Organic Cotton Tee "ITAUBA Yellow"の誕生へと繋がってゆきます。

阿部さんには私たちの取り組みにSeedingという名前がつく前の段階から関わっていただき、人との繋がり、クリエイティビティ、技術的な事等、様々な面から支えていただいています。
LIKE THISさんとの取り組みも阿部さんが繫いでくれたことにより産まれた機会。
いつも、柔らかな面持ちのキャラながら、鋭くブレない抜群の剛性をもった視点が、僕たちのインスピレーションを刺激し、勇気づけてくていれます。

Author

kensuke-watanabe

BROCANTEのガーデンプランナー。 ''Seeding''ディレクター