軽やかに見えて野生的

プリペット

プリペットの名で流通していますが、本来はプリベット(privet)が正しいようです。軽やかな印象の葉が密に茂るため、生垣や庭木、公園や商業地の植え込みなどにも多用されています。

日本にも自生するイボタノキ(L.obtusifolium)の仲間の半常緑低木です。セイヨウイボタノキとしてヨーロッパや西北アジアに分布する種類と、中国原産の在来種より葉が小さい斑入り種や黄葉種のシネンセ系(L.sinense)をまとめてプリペットと呼んでいます。ともに6~7月に白い花が咲き、その後黒い実がつきます。花には、好みが分かれる独特の香りがあります。

病虫害も少なく、耐潮性もあり非常に丈夫です。耐寒性もあり寒冷地では落葉しますが、暖地では葉が残ります。

緑葉のプリペットは、樹勢が非常に強いため広いスペースの生け垣や、1本で仕立てメインツリーとして活用できます。

白斑が入るシルバープリペットは、春の新芽はやや黄みを帯び、花付きも非常に良いです。緑葉と同様に生け垣や1本での仕立てにも向いています。

レモンアンドライムは前者2種と違い矮性で、大きくなっても2m弱くらいにコンパクトにまとまり、強い枝も出にくく扱いやすいです。

最低年1~2回の剪定は必須ですが、どこで切っても芽吹くので気兼ねなくカットできます。

Data

植物名
プリペット
学名
Ligustrum vulgare、Ligustrum sinense
他の名前・俗称
セイヨウボタノキヨウシュイボタノキ
区分
半常緑低木
参考サイズ
1.5~5m

プリペット L. vulgare
シルバープリペット L. sinense 'Variegatum'
レモンアンドライム L. sinense 'Lemon & Lime'

Ligustrum vulgare、Ligustrum sinense

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。