早春の叢の佇まい

ヒメオドリコソウ

まだ霜が降りるようなま時期から身を寄せ合うように群生している姿を見かけます。てっぺん付近の葉が紫色を帯びる姿が、何やら帽子をかぶっているように見えて可愛らしいです。
かぶさるように葉が重なって立ち上がる姿は、踊り子の名がついていますが、どうも僕はアンデス地方のポンチョを着た人の姿が浮かんできます。

東京周辺でも都心部から住宅街までちょっとした草地があればよく見かけられ、すっかりお馴染みの存在ですが、原産はヨーロッパ周辺。日本へは明治頃に入ってきたと言われています。

同じ時期に、やはり同じような場所で群生するホトケノザと花色や背丈など姿がよく似ていて、混同してしまいがちですが、よくよく見てみると葉のつき方などかなり異なっています。

ヒメオドリコソウがてっぺん付近の重なり合う葉の下から覗かせるように花を咲かせるのに対して、ホトケノザは茎に対して円を描くように展開する葉の上に乗っかるように上向きの花が咲きます。

また、葉を見ると細かくシワがより、なるほど同じ属の園芸店などでも売られているラミウム(Lamium maculatum)と近しい仲間であることも感じます。

名前の由来は、日本在来種のオドリコソウ(Lamium album var. barbatum)に似てそれよりも小ぶりだったことからつけられたといわれています。

kensuke-watanabe

Data

植物名
ヒメオドリコソウ
学名
Lamium perpureum L.
区分
一年草
参考サイズ
20cm

小さな花を覗かせる(神奈川県北東部、2月中旬)
群生する姿(神奈川県北東部、2月中旬)
日本在来種のオドリコソウ(京都府中部、4月上旬)

Lamium perpureum L.

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。