春の兆しの散歩道。

シンバラリア

まだ寒さの厳しい早春から石垣や土留めなどに緑を這わせ、薄紫の小柄な花を開きます。
この花を道端で見かけた記憶を思い返すと、いつも冬の中休みで春を思わせるような暖かな日だったような気がします。
陽気のおかげで歩く足にも周りを見渡す余裕が生まれるせいでしょうか。

雑草化したものをよく見かけますが、もともと大正時代に観賞用としてヨーロッパからやってきたものが帰化植物として定着したのだそうです。

園芸店などでもよくポット苗が販売されています。雑草としてもよく見かけるmuralis(ムラリス)と葉と花の色が青味がかったpallida(パリダ)そしてその白花品種のpallida 'Albiflora'(アルビフローラ)等がよく見かけられ、匍匐性のベロニカ等と共に早春でも緑の状態がよく花が咲くグランドカバーとしてお馴染みです。

野生化しているようなものでも雑然と茂っている様子はをあまり見かけず、程よく石やコンクリートなどに這い柔らかい印象にしてくれています。

お庭に植える場合もレンガや、コンクリートに這わせたり南向きの斜面に沿って植えたりするとぐんぐんと勢力を広げて行きますが、いきなり葉の大きさが大きくなったり、こんもり立ちあがてきたりという事もなく、その程良さが好印象です。

石垣等目線に近い位置に生えていることが多いせいか、目線に飛び込んで来やすく、目に留まる柔らかさは冬の中休みといった暖かな景色によく映えます。

kensuke-watanabe

Data

植物名
シンバラリア
学名
Cymbalaria muralis
他の名前・俗称
ツタバウンランツタガラクサコリセウムアイビー
区分
常緑多年草
参考サイズ
0.05~0.1m

ゴマノハグサ科。(2月下旬、神奈川県北部)
間知石の目地に根付き匍匐茎を広げる。(2月下旬、神奈川県北部)
間知石の目地に根付き匍匐茎を広げる。(2月下旬、神奈川県北部)
家と家の間のコンクリートの切れ目、ヘビイチゴと共に(2月下旬、東京23区)
家と家の間のコンクリートの切れ目(2月下旬、東京23区)

Cymbalaria muralis

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。