春のふんわりカール
カラスノエンドウ
丸い葉が対象に並び柔らかく伸びる茎は、先端部がくるりと巻く蔓状となり、動きに富んだ形が何やら遊び心を感じさせます。
そんなささやかに伝わってくる活発さが、時期柄厳しい寒さが綻んでくるイメージと重なり、微笑ましく感じられます。
春の早い時期、空き地や道端の土場など生活の身近なところで見かけることができます。
3月の後半あたりになるとピンク~紫色の花を咲かせ、マメ科の特徴的な形の花は小ぶりながらスイートピーやハギにも似て鑑賞性も高いです。
オオイヌノフグリやホトケノザなどこの時期のお馴染みの顔ぶれの構成する草地も、このカラスノエンドウが伸びてくるにつれてふんわりと柔らかな印象が増し、風に揺れる草原といった風情が漂うようになります。
花の後にできる種も、食卓でお馴染みの豆の形に似て、親しみ深いですが、食用にはなりません。
名前の頭に着くカラスは、食用にならず役に立たないといったニュアンスが込められた由来のようです。
Data
- 植物名
- カラスノエンドウ
- 学名
- Vicia angustifolia
- 他の名前・俗称
- ヤハズエンドウ
- 区分
- 1年草
- 参考サイズ
- 40cm