林床に咲くアネモネの花
ニリンソウ
早春の林の足元、斑点のある丸みを帯びた切れ込みの深い葉が肩を寄せ合うように群生を作る姿が見に止まります。
てっぺんに着く葉の中心部分から花芽を立ち上げ咲かせる純白の花は、落ち葉の敷き詰められた林床に春の訪れを告げてくれます。
日本から中国の北東部にかけてが原産のアネモネの仲間で、日本において昔から親しまれており、東京都板橋区の区の花でもあります。
川辺や勾配の下の方など、少し湿り気のあるような場所を好み、地下茎を出し群生してゆきます。
花を咲かせる期間は意外と長く、早春からポツポツと蕾を開き始め、桜の花が咲き終わる頃に満開を迎えます。
一つの茎にそれぞれ2輪の花を着けることが多いことから名前が由来しますが、必ずしもというわけではなく、1輪や3輪のものもしばしば見受けられます。
よくよく見ていると、同一の茎上に1輪が咲いているその花柄の根元にもう一つ蕾が控えているものが多く、若干の時間差を持ちながら2輪の花を咲かせるものが多いです。
花は小ぶりですが、蕾の形や花弁に見える萼の質感などは、同じく日本に自生するアネモネの仲間のシュウメイギクにもよく似ています。
Data
- 植物名
- ニリンソウ
- 学名
- Anemone flaccida
- 区分
- 落葉多年草
- 参考サイズ
- 10cm