庭で楽しむトロピカル風味

フェイジョア

南米原産のフトモモ科の樹木。
花に実に葉に楽しみどころ満載。
見た目だけでなく、味覚でも!

常緑樹のシンボルツリー候補としてお勧めする機会の多いこの木。

卵型で小ぶりの葉は新芽の時は青みを帯びて、やがて表面部は深緑になりますが、葉裏に青みが残り樹全体としてどことなくアッシュ系の色味を感じさせます。

幹枝は赤みを帯びた色味で程よくアクセントとなり、見た目の面白みを深めています。

低木に分類されますが、幹を形成する樹形となるのでシンボルツリーとしての存在感もしっかりと出ます。
成長はゆっくりめで、最終樹高も3m~4m程で無理なく管理できるほどで、家庭のお庭にもちょうどよいサイズ感です。

花は鮮やかな赤色のしべに、花びらは肉厚感がありピンク~白色で個性的な花を咲かせます。

もう一つ、この木の魅力で特筆すべきはその味です。

まずはその花。花びらに甘みがあるのですが、あまり食ということに繋がりにくい花びらというイメージからは想像できないほどしっかりとした甘みがあります。

そして別名パイナップルグアバとも呼ばれるこの木。
その果実は熟すとパイナップルやグアバ、バナナ、パッションフルーツ等数々のトロピカルフルーツを連想させる独特の甘い香りがします。
木から自然に落下したタイミングが食べごろで、食感はキウイとバナナの中間のような少しねっとりとした感じと共に、甘い香りが鼻に抜けとても美味しいです。

ニュージーランドではポピュラーな果物でスーパーなどでも流通しているそうです。

品種が様々あり、1本で果実を結実させるもの(クーリッジ、アポロ等)と、1本では結実しないもの(マンモス、トライアンフ等)
があるので、実を楽しみたいときは2本以上植えるか品種を選んで購入することをお勧めします。

基本的には強健な性質で、耐寒性も-10℃くらいまで耐えると言われていますが、今まで扱った印象では風の強いところでは枯れこんでしまうことが多いので、植える場所を決める際はその部分に気をつけてあげるとよいと思います。

日当たりは、日向を好むようですが、半日くらい日が当たるようなとこであれば元気に育ってくれています。

kensuke-watanabe

Data

植物名
フェイジョア
学名
Feijoa sellowiana
他の名前・俗称
パオナップルグアバアナナナスグアバ
区分
常緑
参考サイズ
2m~4m

花が次々と咲いてくる。(5月下旬、東京都23区)
左奥3.5m程の高さ。北側に面した玄関脇(5月下旬、東京23区)
青みを帯びた新葉を展開する。(5月上旬、神奈川県南部)
実が膨らみ始めている(9月下旬、東京都23区)
自然に枝から落下した時が食べ頃(12月上旬、埼玉県南部)

Feijoa sellowiana

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。