紫や白や黄や

モクレン

中国原産で、蕾を風乾したものは生薬の「辛夷(しんい)」として頭痛や鼻炎の薬とされており、日本にも古くは薬用目的で渡来したようです。近年は白花のハクモクレンを多く見かけますが、モクレン(シモクレン)とハクモクレンでは花色や樹高以外にも、開花時期や花弁の数、葉の出るタイミングなどが異なります。

モクレンは花が紫色であることからシモクレン(紫モクレン)とも呼ばれ、樹高3~5mとモクレン属の中では小型です。春に葉に先立って紫色の花が咲き、花弁は6枚で、葉の展開後まで咲き続けます。

この園芸品種のカラスモクレンは花色が黒紫でシック。どちらも開花時期は樹高15m以上になるハクモクレンより遅いです。ハクモクレンは花弁が9枚で、花後に葉が出ます。

同じ大型種の花が黄色いキモクレン(M.acuminata)など品種も非常に多く、欧米ではマグノリアと呼ばれ春の花木として親しまれています。

丈夫で目立った病虫害もなく、スペースに合わせて品種を選ぶようにすると良いでしょう。

花はお茶としても利用できます。

Data

植物名
モクレン
学名
Magnolia liliiflora(M.quinquepeta)
他の名前・俗称
マグノリア
区分
落葉低木、落葉高木
参考サイズ
3~20m

カラスモクレン M.liliiflora 'Nigra'
ハクモクレン M.denudata

Magnolia liliiflora(M.quinquepeta)

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。