ライムグリーンの誘惑

ニセアカシア・フリーシア

春から初冬まで長期間に渡ってさわやかな黄緑葉で空間を明るくする立役者。早すぎる生育スピードに苦労もありますが、その魅力を感じれば許してしまうはずです。

ニセアカシアの黄葉種。新芽が黄色で、徐々に明るい黄緑色に変わり、その後も明るい黄緑葉を初冬に黄葉するまで保ちます。これだけ通年さわやかな雰囲気を保つ木も少ないです。

この木とは20年以上の付き合いになりますが、春先から初夏にかけてが特に葉がきれいで、毎年楽しませてもらっています。

マメ科なので生長がとても速く、本来は15m位に成長する高木なので、住宅地では年2回以上の剪定は必須になります。枝ぶりを気にせずブツブツに切ってしまっても、すぐまた勢いよく伸びてそれなりの樹形になるので、剪定の知識がなくても、労力さえ惜しまなければ管理できます。

枝に数十センチ間隔でバラにあるくらいの刺が出ているので、剪定時には注意。
初夏に白い藤に似た花が咲きますが、強い剪定をすると見られなくなってしまうので、基本的には花を見るより葉を楽しむと考えた方が良いです。

黄葉種の高木は西洋ナラやブナ、カエデなど沢山ありますが、多くはある期間が過ぎると緑の葉に戻ってしまいます。
それに比べフリーシアは明るい葉色が冬まで続くので、一般的な落葉樹や濃い緑の常緑樹と組み合わせると、コントラストがひときわ魅力的です。

直径40~50センチくらいの大きめの鉢なら、鉢植えでも楽しめます。鉢植えだと生育も抑制されるため、枝数は少なくなり2.5m前後と小さく管理できますが、数年すると根詰まりを起こしてくるので、定期的な植え替えがお勧めです。理想的には2~3年に一度落葉期に堀りあげて、根の3分の1くらいをカットして、新しい土と共に同じ鉢に植え替えてあげると葉の数も増え、生育も良くなります。

我が家のは3年前に切り口から腐り、台風で折れてしまいました。
高さ10m、直径17~18㎝ほどに育っていましたが、3m辺りでぽっきりと。
3年経ち今ではまた写真のように元通りになっています。
人も木も丈夫って最も大切ですね。

yukihiro-matsuda

Data

植物名
ニセアカシア・フリーシア
学名
Robinia pseudoacacia 'Frisia'
他の名前・俗称
黄金ニセアカシア
区分
落葉
参考サイズ
5m~10m

自由が丘のお店。11月でもこの葉色を保っている。
4月頃の芽吹きは黄色
5月頃になると黄緑色の輝くような葉色に
フジの花によく似ています。
台風で折れてから2年後の5月頃に沢山花をつけています。だいぶ元の姿に。

Robinia pseudoacacia 'Frisia'

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。