夏庭の清涼

マウンテンミント

風にそよぎそうなスラリと伸びた容姿。初夏になるとハイライトのようにミントグリーンの苞葉が現れその先に花を付けます。
夏の強い日差しもマウンテンミントのある風景だと柔らかく清涼感が漂います。

花は少し控えめですが、かえって柔らかな印象にマッチしているように感じます。
苞葉の色味は遠目にもよく映えますが、野の花のような風情も漂い、ナチュラルな印象に見た目のアクセントをつけるのに重宝します。

一度根付くと、地下茎で増え群生します。
性質は強健で、日向から半日陰のようなところまでよく増えますが、日当たりのよい場所の方がきれいな群生となる印象です。
スペアミントなどよりは穏やかですが、地下茎でよく増えるので適時間引き、程よい勢いを保ってあげることが必要です。

冬は1度地上部が枯れ、春に新たに芽吹きます。

細葉種の’細葉マウンテンミント’も園芸店などで見かけられます。

細い葉が涼し気で、白い苞葉はありませんが、広い葉の物よりも花付きがよく、球状になる花序は花期の過ぎた後でもきれいに残り、秋から冬にかけても愛らしい造形を楽しむことができます。
こちらも地下茎でよく増えますが、増え方は広葉の物よりもさらに穏やかです。

葉物の切り花としても人気で時期になると生花店などでも見かけられます。
私も、この植物に初めて出会ったのは生花店でのアレンジメント教室でした。
ドライフラワーにしても苞葉の色がきれいに残り、香りも楽しみながら長い間愛でることができます。

kensuke-watanabe

Data

植物名
マウンテンミント
学名
Pycnanthemum muticum
他の名前・俗称
広葉マウンテンミント
区分
常緑多年草、落葉多年草
参考サイズ
0.5

明るい色の苞葉の上に花が咲いています。(6月下旬、静岡県西部)
シュウメイギク、サクシセラとの植栽一足先に見ごろを迎える(6月下旬、静岡県西部)
新芽の様子(4月上旬、静岡県西部)
近縁種の細葉マウンテンミント(pycnanthemum tenuifolium)(6月中旬、千葉県北西部)
近縁種の細葉マウンテンミント(pycnanthemum tenuifolium)満開時(7月中旬、千葉県北西部)
植栽から間引いた茎の苞葉を集めてドライに。

Pycnanthemum muticum

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。