林床に咲くアネモネの花

ニリンソウ

早春の林の足元、斑点のある丸みを帯びた切れ込みの深い葉が肩を寄せ合うように群生を作る姿が見に止まります。
てっぺんに着く葉の中心部分から花芽を立ち上げ咲かせる純白の花は、落ち葉の敷き詰められた林床に春の訪れを告げてくれます。

日本から中国の北東部にかけてが原産のアネモネの仲間で、日本において昔から親しまれており、東京都板橋区の区の花でもあります。

川辺や勾配の下の方など、少し湿り気のあるような場所を好み、地下茎を出し群生してゆきます。

花を咲かせる期間は意外と長く、早春からポツポツと蕾を開き始め、桜の花が咲き終わる頃に満開を迎えます。

一つの茎にそれぞれ2輪の花を着けることが多いことから名前が由来しますが、必ずしもというわけではなく、1輪や3輪のものもしばしば見受けられます。
よくよく見ていると、同一の茎上に1輪が咲いているその花柄の根元にもう一つ蕾が控えているものが多く、若干の時間差を持ちながら2輪の花を咲かせるものが多いです。

花は小ぶりですが、蕾の形や花弁に見える萼の質感などは、同じく日本に自生するアネモネの仲間のシュウメイギクにもよく似ています。

kensuke-watanabe

Data

植物名
ニリンソウ
学名
Anemone flaccida
区分
落葉多年草
参考サイズ
10cm

ニリンソウの由来通り2輪の花を着ける(東京都西部、4月上旬)
(東京都西部、3月下旬)
林の足元に群生する(東京都西部、4月上旬)
山間の集落の川辺にて(神奈川県北西部、3月中旬)
近縁種のイチリンソウ’Anemone nikoensis’(京都府中部、4月下旬)

Anemone flaccida

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植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。