晩春の陽向に咲く小花
ニワゼキショウ
オオイヌノフグリやカラスノエンドウなど春を告げる花が一段落して、叢に生える雑草の丈もぐんぐんのび鬱蒼としかかってくる時期。
その周縁の明るい地際や、芝生、アスファルトのヒビのような所でも日当たりのよい場所に薄いピンクや紫色で星形に似た花弁を開きます。
アメリカ原産の多年草で、明治時代に日本へ持ち込まれたものが野生化して今日に至っているそうです。
今となっては雑草という扱となりますが、その花は小花ながら色合いが華やかでやはり鑑賞性も高く、園芸店で並んでいたとしても何ら違和感のない雰囲気です。
群生して咲く姿は見かければ随分と目を楽しませてくれ、勝手に生えたものと考えると意味もなく得した気分になります。
草丈は高くなっても20㎝程度、薄いピンクの花弁が中心に向かい色濃くなり、中心は黄色というものと、全体的に紫色で中心が黄色いものの2パターンをよく見かけます。花一つ一つは1日で萎れてしまいますが、次々を咲かせるので花期は意外と長いです。
花の後に丸い果実ができ、そこから種がこぼれて増えて行きます。
名前は葉がセキショウによく似ていることが由来のようですが、ニワゼキショウはアヤメ科でセキショウはショウブ科なので違う仲間となります。
近縁種のSisyrinchium bellumはシシリンチウムという名前で園芸店などでも見かけられます。
Data
- 植物名
- ニワゼキショウ
- 学名
- Sisyrinchium rosulatum
- 他の名前・俗称
- シシリンチウム
- 区分
- 多年草
- 参考サイズ
- 0.1m