当代ホトケノザは蜜の味

ホトケノザ

まだ寒さの残る時期、背の高い植物が茂る前の空き地のような場所や、道路際の日の当たりやすい所など、
見通しの良いところに群生し、紫の花が小ぶりながらよく目に付きます。

立ち上がる茎を丸く囲うような葉が壇状につき、その葉の様子が仏様の座る蓮を連想させることからその名がついたといわれます。

このホトケノザという名前を巡っては、もう一つ話題があります。
近年また見直されつつある七草粥の風習。これに使用する春の七草の中にホトケノザといものがありますが、これはこの風習が広まったころにホトケノザと呼ばれていた現在はコオニタビラコと呼ばれるキク科の植物のことを指し、現在ホトケノザと呼ばれているものとは別物で勘違いされやすいということです。

この話を聞くと、食い意地の張った人などは、少しがっかりするかもしれませんが(私もその口ではありますが…)、がっかりするのはまだ早いです。
この草の本体は食用にしませんが、花に蜜があり、小さな花を摘んで下から吸うとほのかに甘い味がして中々の美味です。
子供のころなど蜜を吸って楽しんだ人も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

花にある模様もミツバチなどの虫に蜜がある事を知らせるためのものだとも言われています。

kensuke-watanabe

Data

植物名
ホトケノザ
学名
Lamium amplexicaule
区分
1年草
参考サイズ
20cm

(神奈川県北東部、3月上旬)
(神奈川県北東部、3月上旬)
日当たりのよい傾斜地に群生している(神奈川県北東部、3月中旬)

Lamium amplexicaule

Last Modified at / Published at

植物図鑑について

お庭と生活のお話をさせていただく上で、パートナーともいえる植物たちの事を、私たちなりに感じるそれぞれの良さや、付き合う上で知っておくとよさそうなこと等、観察の記録的な情報も交えながら紹介しています。

題名(植物名)
日本において一般的に用いられている名称です。他にも一般的な名称や俗称、学名の読み音の違いなどある場合は別途記載してます。
キャッチフレーズ
植物の名前は一回聞いて音では認識できてもどういうものか想像しずらいものが多いです。故に覚えずらくもあります。そこで、私たちなりにこの植物を表現する言葉を出来るだけ多くの人がイメージしやすいものと結び付けてあらわそうと試みています。昔の洋楽についていた邦題のような感じで、時には恥ずかしくなるようなダサさも漂いそうですが、何はともあれ興味を持っていただくきっかけとなれば良しと思っています。
学名
植物の中には呼び名が様々あったり、名称が重なったりするものがあるので、誤解を避けるため、どの植物を指しているかの基準とするため記載しています。
区分
東京近辺で見受けられる傾向として、季節によって葉がなくなるか無くならないか大まかな傾向を表記しています。なので学術的な表記とは異なり、あくまでも実用上の目安とするための独自の情報とご理解いただければと思います。
参考サイズ
植栽をしたときに、植物の魅力を感じられる又は剪定を行いながら無理なく管理できるお勧めのサイズ感を表記しています。