本命は後からやってくる。
アベリア シネンシス
強健な性質から街路樹などでもお馴染みのアベリア。よく見かけるものは常緑のものですが、このシネンシスは落葉性。
冬に葉がなくなってしまうことは、少し寂しい気もしますが、それを補って余りあると言って良い程、常緑種とはまた違った魅力があるように思います。
常緑種の物より葉色が明るく質感も柔らかめです。
花もアベリア特有の白い花が良く付くので楽しめますが、個人的にはその花が終わった頃からがこのシネンシスの本命ともいえる気がします。
緑の混じった薄ピンク色の萼(がく)と呼ばれる部分が、きれいなてまり状の花のようになります。その部分は色味の持ちよく、秋にかけて次第に濃くなってゆき、そのまま冬にかけてドライになってゆく姿も楽しめるのです。
夏場にかけて花を咲かせる低木としても魅力的なアベリアですが、常緑種のアベリアはあまりにもお馴染みすぎるせいか、最近ではお庭に意識して植えることは少なくなってきています。
一方、シネンシスはブロカントの施工するお庭でもここ数年で登場回数がグッと増えてきています。
もともとは、シネンシスの方が常緑品種を交配作出する際の親種との事で、よくある1周まわって新しくなるといった状態とも言えますし、結局はあまり人の都合に左右されず、ありのままが美しいという事なのかもしれません。
因みに”シネンシス”というのは”中国の”といった意味合いで、中国に自生する原種のようです。
陽の陰りがちな場所から、日向まで育てやすいことも大きな魅力です。
成長は早めですが、落葉期に強めに剪定しておくことでコンパクトに維持することもできるので、場所も選ばず植栽に見どころを与えてくれる、庭木としてもとても優秀な樹木です。
Data
- 植物名
- アベリア シネンシス
- 学名
- Abelia chinensis
- 他の名前・俗称
- チャイニーズアベリア
- 区分
- 落葉
- 参考サイズ
- 1~2m