外構・お庭の目隠し施工例 ①滞在時間の長いリビングダイニング、キッチンの目隠し
外構やお庭のご相談を受ける中で、かなりの頻度でいただく「目隠ししたい」というご要望。
隣家の窓からの目隠し、お庭のプライベート感を出すための目隠し、前面道路の歩行者からの目隠しなど、お住まいの環境によって目隠ししたい理由は様々です。
「見えなくすればいい」というシンプルな話にも聞こえますが、実際は予算や敷地の広さ、滞在時間や目隠しの強度(程度)、近隣への配慮など検討すべきことがたくさんあります。
まずは、目隠しをしたい理由や条件を整理しよう
「目隠し」と言っても、フェンスや壁を設けるのか、植物を組み合わせるのか、タープや物置の設置を考えるのか、場所や程度によって最善策も変わってきます。まずは、目隠しを取り入れたいのはなぜなのか、どのくらい気になっているのか等、条件を整理していきます。
・どの位置から、何から目隠ししたいのか?
― 位置が絞れれば、角度や高さなど隠したい部分が明確になります
・滞在時間や頻度はどのくらいか?
― 日々過ごす場所なのか、玄関の出入り時など限定的なシーンなのか
・目隠しに必要な強度は?
― しっかり見えないようにするのか、気にならない程度でいいのか
・予算や手間は?
― 全体の予算に対しての優先順位、維持管理としての手間など
例えば、リビングから見える隣家の窓からの目隠しならば、毎日使用し滞在時間も比較的長いので、目隠しの強度や高さもある程度必要と考えます。お庭に出ている時間に、前面道路の歩行者との目隠しであれば、頻度や目隠しの強度は高くなく、目線が合わない程度で十分だったり。玄関のドアを開けると歩行者と対面してしまう場合は、最低限の緩衝物でカバーしたりと、それぞれにあった目隠し対策が見えてきます。
そんな中から今回は、ご自宅の中でも使用頻度が高い・滞在時間が長い場所、リビングダイニングやキッチンの目隠し実例を中心にご紹介します。
【構造物+植物】で、室内からの景色も意識した目隠し
リビングやダイニング、キッチンなど、暮らしの中で使用頻度が高い/滞在時間の長い場所は、人目を気にせず過ごせるようにしっかり目隠ししたいという方、多いのではと思います。しかし、フェンスや壁を立てるだけでは閉塞感が強くなり、室内からの景観も損なわれてしまいがちです。
そういった場合は、目隠し機能の構造物=背景と捉え、自宅側の前面に植栽を配置することで、室内からの景色を意識したご提案をしています。
こちらは通学路に面したLDK部分の目隠しです。目隠し強度を高めるために、ハードウッド(イタウバ)のフェンスは視線が抜けない両面張りで施工しています。
ダイニングから外を眺めてみると景色は良く、人とも目線は合わないのですがフェンスは多少低く感じるため、植物は抜け感がありつつ常緑で葉が軽いレプトスペルマム カッパーグローを植えています。
続いても、道路に面したリビングダイニングの目隠しです。人通りが多い写真奥の道沿いにはウッドフェンスを取り入れ、人通りが少ない写真手前の道沿いは生垣としてギンバイカを植えています。よくある刈り込みの強い生垣とは異なる、ギンバイカのナチュラルな雰囲気が魅力的です。
リビングダイニングからの景色は、'植物多めのブッシュな感じ' というご要望に合わせ、ギンバイカを背景に葉色の美しいトキワマンサク クロビジンを加えています。
続いては、目の前の隣家からのリビングダイニングの目隠しです。隣家が迫っている部分のみ目地を詰めたウッドフェンスを設置しています。
使用頻度の高い隣家の勝手口が気になるとのご要望があり、そこに合わせてフェンスの高さを決めてしまうと高くなりすぎるため、勝手口部分の目隠しとしてフェンスより少し背の高いイチゴノキ マリーナを植えています。
目隠しも目的ではあるけれど、どちらかというと室内からの景観に重点を置いた例もあります。マンションの窓からテラスやバルコニーを通して見える景色も、構造物や植物を組み合わせることで大きく変化します。
こちらはリビングの掃き出し窓を絵画のフレームに見立てて植栽を計画。屋上のパラペットの存在と近くの家の屋根の存在を消すため、高さに変化をつけたプランターにグラス類などの下草を植えています。目線にあたる中間部は、屋上の景色の抜け感を確保するため植物は少なめに構成し、目線より高い部分はフレームにかかるような高木を配置しました。
こちらの事例については以下の記事でもご紹介していますので、良かったらご覧になってみてくださいね。
高い位置や狭小スペース、遠くからは【植物だけ】でも目隠し可能
2階の窓などの高い位置や外構の狭いスペースなど、壁やフェンスでは目隠しできない場合や、隣家との距離がそれほど近くなかったり、人通りの少ない通り沿いなど目隠し強度が高くない場合は、植物だけで目隠しをすることも多いです。
こちらは2Fリビングの目隠し。隣家の窓の存在を和らげるとともに、部屋からの景観も考慮し、モミジの園芸品種サツキベニを植栽しています。
樹高、葉の形や葉張り、生育環境、成長速度など特性をふまえて植物を選びますが、生き物なので思ったように成長してくれないことも、もちろんあります。定期的にメンテナンスに伺いながら、剪定したり植栽に調整を加えていきます。
続いて1階キッチンの目隠し事例。道に面していても人通りは少なく、近隣ともそれほど近くないため目隠し強度としては低めです。横長の窓部分にはギンバイカを植えています。
ギンバイカは先の事例でご紹介したように生け垣として列植することもありますが、単体で使っても高さもそこまで出ないので、安定的に目隠しとして機能してくれます。
次は少し特殊な事例ですが、奥に見える擁壁と敷地の間の少し下がった位置に通路があり隣地の方が通るため、目隠しのご要望をいただきました。
通路が低い位置にあり目線が一段下がっていることから、低木類を使って目隠しをしています。
ベランダやバルコニーでは、プランターを使った目隠しも。こちらは2Fリビングの目隠しになるベランダの植栽です。モダンでスッキリとした印象のプランターは形状違いを同シリーズで揃え、重くなりすぎないよう前後高低のバリエーションを組み合わせて、変化に富んだ植栽を構成しています。
必要な目隠し機能はもちろん、眺めても安らぐ空間に
ここまでご覧いただいたように、「目隠し」と言っても隠したい角度や高さ、強度も様々なので、それぞれに合った形の対応策をご提案しています。
一番の目的である目隠しとしての機能や強度が自分たちの要望するものに合っていることがもちろん最重要ですが、生活の中で常に目にする空間であるからこそ、機能にプラスして、見たり眺めたりしたときに安らぐ空間、癒される場所であるとより良いですよね。ただ壁を立てて目隠ししてしまうだけでは、もったいない気がします。
近隣や通行人の目が気になるから目隠ししたい、というちょっとマイナスなイメージのある事柄も、日々の暮らしを楽しくしたり、お気に入りの空間が増える要素になり得るので、どうやって目隠ししよう?とお悩みでしたら、ぜひ参考にしてみていただけたらと思います。
今回は滞在時間の長い場所、リビングダイニングやキッチンの目隠しを中心にご紹介しましたが、今後お庭や玄関の目隠しについてやその他事例など、全3回にわたってご紹介予定です。もうしばらく、お待ちくださいね。
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